2015年9月10日木曜日

ベジタリアン・ビーガンのための貧血講座

菜食だと鉄不足によって貧血になってしまわないかという疑問は少なからずあります。
今までは「青汁飲んどきゃいいのよー」でさらっと流してましたが、(汗)
今回は真剣にまとめることにしました。

☑ベジタリアン・ビーガンに貧血は多いのか?

Pixtaさんで購入した画像です


    • 鉄欠乏性貧血の頻度はベジタリアンと非ベジタリアンは同様である(1)
    • ベジタリアンの鉄貯蔵は非ベジタリアンと比べて低いが、血清フェリチン値は通常正常範囲(1)
    • フェリチンが正常以下である人の頻度はベジタリアン、非ベジタリアンも変わらない(2)
    • 短期的な調査では鉄の吸収が悪いとでるものもあるが、長期的にみるとベジタリアンの鉄吸収は上がり、鉄損失を減らすことで順応されている証拠がある(1)
ということで、菜食だから貧血。。というのはどちらかというと偏見である可能性が高いと思いました。ベジタリアンが貧血だと、「お肉食べていないから」と理由づけられ、雑食者が貧血だと「どこからか出血しているのではないか。吸収が悪いのでは。」などと考えます。決して「お肉食べているから貧血なんだ」と考える人はいないはずです。でもベジタリアンが貧血なのもお肉を食べないからではなく、どこからか出血したり、吸収が悪かったり、ということが原因なのではないでしょうか。
   私も個人的に「あなたはお肉食べないから●●なのよ」と言われることがあるのですが
全然関係ないから。。というとこまで菜食のせいにさせられます。貧血に関しては関係がありそうですが、実は関係がないのかも。と意識して頂ければいいと思います。


☑青汁飲んどきゃいい説の裏付け
青汁を緑にする要素はなんでしょう?植物の血といわれているクロロフィルですね。植物の血クロロフィルと人間の地ヘモグロビンの化学式が似ているってことを最初にいいはじめたのがVerdel。それが1850年代の頃。(3)
http://www.vital3synergy.com/chlorophyll.htmlからお借りしました
それからHans Fisherがhemin(ヘモグロビンの一部)の正確な構造を確立しました。(その功績で1930年にノーベル賞受賞)クロロフィルとheminの違いはクロロフィルの中心にマグネシウムがあるのに対してheminは鉄があるということでした。 
その後様々な科学者が貧血改善のためにクロロフィルを使用した結果を発表しています。

    • Frans Miller 「貧血にされた動物に対してクロロフィルは鉄と同じぐらい素早い造血効果がある」(4)
    • Emil Burgi 1916 クロロフィルを含む食事をとったウサギの方がより速く貧血から回復した(4)
    • 1933: クロロフィルが多く含まれている食事を与えられたネズミは赤血球の再生を誘因したことが調査で明らかになった。またこれは緑の食事の中の鉄や銅の働きではないことも証明した。(5)
    • 1936: Dr. Arthur Patek が15人の鉄欠乏性貧血のある患者さんに鉄と共にクロロフィルを摂ってもらったところ、クロロフィルと鉄を一緒に摂った方が鉄だけ摂った患者さんよりヘモグロビンが上がるのが早かったことを証明した。(6)
    • 1970: クロロフィルやヘムのリング構造がグロブリン(ヘモグロビンの蛋白の部分)の生成を刺激することがわかった。(7)健康的な血液を保つために必要な栄養素は鉄、銅、カルシウム、ビタミンC, ビタミンB12,ビタミン K,ビタミン A, 葉酸, and ビタミンB6で、多くはクロロフィルが多く含まれている食物(ウィートグラスや緑の濃い野菜)に存在する
要はクロロフィルは造血効果ありってことです。


☑ヘム鉄、非ヘム鉄について

ヘム(動物性)は吸収がいい。
非ヘム(植物性)は吸収が悪い。

まあ、鉄だけみればそうなんでしょう。

http://www.e-expo.net/information/hemutetu/からお借りしました
しかし、ビタミンCは非ヘム鉄の吸収を6倍にまで上げるため、非ヘム鉄をビタミンCと一緒に摂るとヘム鉄の吸収に劣らないことがわかっています。(8)
野菜には多くのビタミンCが含まれていますか?もちろんです。
そういうことでベジタリアン・ビーガンが非ベジタリアンに比べて貧血の率が変わらないのもうなずけると思います。

さて、両方とも変わらなければ、ベジタリアンでも雑食でもどっちでもいいという結果になりますが、

実はヘム鉄はガンのリスクを上げるという調査が2006年に発表されました。(9)
オランダで12万人を9年間フォローしたコホート調査です。


ヘム鉄の摂取が多いほど大腸がんのリスクがあがりクロロフィルの摂取によって大腸ガンのリスクが下がった


文献によるとヘム鉄は酸化促進物質であって、ネズミの調査では大腸の上皮性増殖と毒性を促進するそうです。(10)ちなみにこれがヘム鉄であるということはきちんと証明されていて、同等のクエン酸鉄、もしくはプロトポルフィンでは増殖や細胞毒性が見られませんでした。


☑クロロフィルにはがん予防、放射性物質からの保護作用という性質があるのも発見されている
上記の調査でもクロロフィルによって大腸がんのリスクが下がったことが証明されましたが、1980年テキサス大学メディカルセンターのDr.Laiもウィートグラスや他の緑の野菜から摂れたクロロフィルは発がん性のある2つの変異物質を抑制したと発表しています。(11)

また、放射性物質からの保護に関しては1950年に緑の濃いブロッコリなどが致死量に等しい放射線を浴びたネズミの死亡率を有意に減らした調査がでています。(12)緑がもっと濃い食物マスタードの葉やアルファルファの葉が使われるとより保護力が高かったようです。(13)

それにしても昔の動物調査って野蛮ですね。。読んでいて本当に胸が痛みます。昔と言っても今でもあまり変わりないんでしょうが。。動物を使わなくてもきちんとした調査はできるんじゃないかと思うのはナイーブだから言えること?

まあ、とにかく、ベジタリアン・ビーガンの皆様
鉄欠乏貧血は菜食のせいではないはずです。

雑食の方と同じように、どこから出血がでているのか、
吸収を妨げているもの(コーヒーやお茶などタンニンを含む飲料、他のサプリメントなど)を摂っていないかをまず考えて下さい。

もちろん貧血の方はそれなりに気をつけて食事を見直さなければいけません。
(もっと緑の濃い野菜、そして良質の植物性タンパク質、ビタミンC、などなどを摂取するように心掛けること。)

でも動物性の食品を食べなくても、ちゃんと貧血改善されるはずですので、
自分の選択に自信を持って下さいね。
自信がないだけに治療方針がフラフラしちゃうと勿体ないですから。

一番いいのは野草を絞って毎日飲むことですが
(もちろんサラダでもいいです)
現代人にちょっと無謀な試みかと思いますので
サプリがいいという方は、下の青汁パウダーをお勧めします。

Dr.萩原の本をまず読んで、
それからDr.萩原の青汁を飲み
血液検査を3か月後ぐらいにするといいと思います。


1)Position of the American Dietetic Association: Vegetarian Diets July 2009Volume 109, Issue 7, Pages 1266–1282
(2)Ball, M.J., Bartlett, M.A. Dietary intake and iron status of Australian vegetarian women. Am J Clin Nutr.1999;70:353–358.
(3)CCarpenter, E. 1949. Clinical experiences with chlorophyll preparations with a particular reference to chronic osteomyelitis and chronic ulcers. American Journal of Surgery. Feb.1949(http://hippocratesinst.org/chlorophyllの引用より)
(4)http://www.rawfoodexplained.com/application-of-food-combining-principles/chlorophyll-and-hemoglobin.html
(5)Smith, L. 1944. Chlorophyll: an experimental study of its water-soluble derivatives. Remarks on the history, chemistry, toxicity and anti-bacterial properties of water soluble chlorophyll derivatives as therapeutic agents. American Journal of the Medical Sciences 207:647-654.
(http://hippocratesinst.org/chlorophyllの引用より)
(6)Patek, A. 1936. Chlorophyll and regeneration of the blood. Archives of Internal Medicine 57:73-84
(7)Hammel-Dupont, C. and Bessman, S. 1970. The stimulation of hemoglobin synthesis by porphyrins. Biochemical Medicine 4:55-60.
(8)Hallberg L. Bioavailability of dietary iron in man. Ann Rev Nutr 1981;1:123-147.
(9)Helena F. Balder et al. Heme and Chlorophyll Intake and Risk of Colorectal
Cancer in the Netherlands Cohort Study. Cancer Epidemiol Biomarkers Prev 2006;15(4). April 2006
(10)Sesink ALA, Termont DSML, Kleibeuker JH, van der Meer R. Red meat and colon cancer: the cytotoxic and hyperproliferative effects of dietary heme. Cancer Res 1999;59:5704 – 9.
(11) Lai, C., Butler, M., and Matney, T. 1980. Antimutagenic activities of common vegetables and their chlorophyll content. Mutation Research 77:245-250.
(12)Spector, H. and Calloway, D. 1959. Reduction of x-radiation mortality by cabbage and broccoli. Proceedings of the Society for Experimental Biology and Medicine 100:405-407
(13) Calloway, D., Newell, G., Calhoun, W. and Munson, A. 1962. Further studies of the influence of diet on radiosensitivity of guinea pigs, with special reference to broccoli and alfalfa. Journal of Nutrition 79:340-348.




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1 件のコメント:

  1. 鉄分不足によりあえなくヴィーガン続けることを断念してるケースがかなり多いみたいですが、本当ですかヴィーガンと非ヴィーガンの貧血の率が変わらないっていうのは。

    それとビタミンCを一緒に取ると鉄分の吸収率が高くなるとのことですが、それってつまり動物性食品をビタミンCと一緒に取るのが一番鉄分吸収にはベストってことですよね。

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